ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…


体に痛みと、何かが私を包むようにして一緒に横たわっている。



「 里桜… 」

「 憂… 臣…?」



憂臣なの?



「 良かった、間に合って… 」



どうして 憂臣がいるの?

ここは綾己が眠る場所…

なのに、どうして憂臣が?




「 里桜!憂臣くん! ねぇ 大丈夫っ 」



弥生…… なに、どうなってるの…



「 立てるか?」



憂臣は私を立たせ汚れてしまった服を払い、私の顔を見つめる。




「 痩せたな… 」




別れを告げたはずの憂臣が私の目の前にいて、頬に手を添え心配そうにしている。




「 里桜、迎えにきた 」

「 え… 」




迎えに?

私はあなたを裏切り別れたのに…




「 倖村さんには話したよ、里桜を俺が幸せにしたいから許してくれって… 」




憂臣…



私は ウェディングドレスを着てほしいと言った憂臣に対し、ブラックドレスを着て別れを告げた。



それなのに、私を迎えに来たなんて…



私の心にはまだ綾己がいるのに…