ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…


結局、私は弥生の気持ちに負けてしまい、素直にありのままで友人達の前に顔を出した。

夜、ライトアップされたテラス、私の心の闇をみんなは知らずにパーティは勝手に盛り上がる。

私は少しパーティを抜け一人席に座り休憩していると、憂臣が私の隣に座った。




「 疲れた?」

「 ううん、みんな楽しそうだと思って見てたの… 」



パーティは、これが最後だから。




「 里桜、手 出して?」

「 なに?」



私が手を差し出すと、憂臣は私の左手薬指にダイヤの指輪をはめてくれた。



この指輪… プロポーズされた時に選んだやつ!



「 間に合って良かった、誕生日おめでとう里桜。キレイだよ 」



あ…

私の誕生日だ!

そっか、そうだね…

すごく重くて キレイだね…




「 里桜、明日はリハーサルだな。緊張して転けたらヤバイな… 」



リハーサル…



そう聞いた私は憂臣への憎しみを込めて指輪を見つめた。

結納もなく、プロポーズからあっという間に式の日取りを決めて明日はリハーサルのために教会へと行く。


私は指輪に込められた憂臣の愛を見つめていた。


変わらない愛…