ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…


ドレス専門店に足を踏み入れると、私は店員にあるドレスを見せてほしいとお願いした。

案内されると、目の前に 私の一番の目的であるドレスがたくさんあった。

私のためにあるドレスだと思い、ドレスが導くままに見ていく。

漆黒の闇にスパンコールやレースがシンプルていて華やか。

黒い薔薇が腰元に、シルクのリボンがツタのように長い。

私はドレスに見入ってしまった。

数時間後、私は箱を手に店を出た。



綾己… やっとだね。

長かったね…



私はそのまま 交差点へと向かった。

この場所に立つと、綾己が私を見ていてくれる気がする。

私が生きているのは綾己を忘れないため。

綾己のためだけに生きている。

そして憂臣に綾己の無念と、私から綾己を奪った報いを受けてもらうため。


私を愛してると言った憂臣を私自身が目の前で裏切る。


たとえ、憂臣意外に何かを失うとしても 私は構わない。


綾己を失った悲しみに比べたら 傷はつかない。

反対に憂臣意外を傷つけても、私は構わない。



私にとって綾己がすべて…


誰に非難されてもいい…