ブラックドレスに甘い毒牙を隠して…


綾己が存在していた生活がここにある。


それがなくなったら私は…

綾己とはサヨナラできない。


できないの……




「 里桜さん… 辛いわね… でも、一つずつ前に進まなきゃ 綾己だって きっとそう思ってるはず…
それに、この間見つけた物があるのよ 」




お母さん 何言ってるの…

綾己はそんなこと思わないよっ

私を大事にしてくれてたもの…




「 里桜さん、こっちに来て… 」



私と同じように、それ以上に 辛いはずの 綾己の母親に言われても 素直に納得することが出来ないでいた。

呼ばれて重い足を動かし 隣の部屋に行った。




「 あの… 」

「 里桜さん、これ あなたのよ 」



え……

メッセージカード?




「 私は飲み物入れてくるわね 」




そう言ってカードを私に手渡し、私を一人にしてくれた。




綾己からのメッセージカード…

いつ、書いたの?




私は封筒にある 綾己が書いた私の名前を指でなぞった。



綾己…