「あ、おはようございます」
丁寧に挨拶を返してくれる。
「今日はもう、上がってくれていいよ」
「……分かりました」
深夜に管理をする構成員は何人かしかいない。
彼が引き受けてくれて助かっているし
少しは休んでもらいたい。
「メンテナンス、どこまで終わった?」
「あ、全部です」
これだから、優秀な部下って……。
「じゃあ、僕は寝に戻ります」
スタスタと足音が遠ざかっていく。
私はそれを、声もなく見送った。
メンテナンスが終わってるから、簡単な確認だけでいい。
一番近くにいた小型のロボットを持ち上げて確認する。
大丈夫……だね。
二個目、三個目と次々に安全確認をしていく。
「よし、これで終わりだ」
簡単に朝の仕事が終わって
内心両手を上げながらも私は不信感を抱いた。
嫌な視線を感じて顔をあげた私に
衝撃と恐怖が沸き起こった。
不信感は、間違っていなかった。
その瞬間に、自分の口から驚くほど高い声が出た。


