「さてと」
第3棟に到着した私は指紋認証機械に指を入れた。
ピーっという高い音と同時に、ドアが開く。
今日もまた、二重の扉が出迎えた。
またそこでもう一回、
今度はネームプレートをかざし、暗証番号を打つ。
万一、情報を盗まれたり、ロボット自体を持ち去られたら
私たち研究員は、死罪を免れることは出来ない。
厳重に警戒するに、こしたことはないのだろう。
「おはよう、南川君。上がっていいよ?」
第3棟の中で日直をこなしながら、
メンテナンスをしていたのは、つり目が印象的な男性。
南川羽矢斗、この子も私の後輩。
研究熱心で、頭も勿論すごくいい。
とても戦力になる逸材だ。


