「僕が直しますよ」
南川くんが申し出てくれたが私は断った。
この傷は、自分が直さなきゃという思いもあったけど
彼と二人で話してみたいと思ってたから。
「こっち、来て」
第3棟の鍵を閉めてロボットの残骸をそのままに
私は研究長室に急いだ。
……なるべく、知られない方がいい。
このロボットのことも、
さっきの騒ぎも。
感情が開発されたものではないだけ、
不安が大きいのも事実だ。
「入っていいよ」
彼を先に中に入れ、向かい合って座る。
人間に近い形で造られた彼は、
精巧な目や耳がよく目立っいた。
「助けてくれて、ありがとう」
「僕、嬉しいから」