「屋嘉木先輩……それ……」
美千ちゃんが足を止め、その目がロボットに焦点を当てる。
その目線を辿り、同じように南川くんも
息を飲み込んでいた。
その目は、ロボットに向いている。
「僕、助けられて嬉しい」
依然として同じ言葉を私に向かってロボットは
投げかけてきた。
「うん……ごめんね」
彼の頭の部品が少し壊れていた。
あんなたくさんのロボットの攻撃から
私を守るために一人で立ち向かってくれた。
この傷、私が直そう。
「僕、助けられたから、嬉しいから良いの」
「痛いでしょ?」
美千ちゃんの言葉には首を傾け、
「嬉しい」を連発する彼。
……なんか、変……?