ごくりと息をのんで、びくびく……スマホを取り出した。
非通知だ。
最近何もなかったから、もう大丈夫かと思ってたのに。
飽きたんだと、思ってたのに。
やっぱり……だめなの?
呼吸が……不規則になっていく。
「奈央さん?」
階段の途中からわたしを見上げている拓巳に、「なんでもない」って強張った笑顔を返して。
わたしは着信を切った。
無視よ。無視。
何度も同じ手にひっかかるもんですか。
出なけりゃ脅かしようがないものね。
消えた着信音にちょっとホッとしていると……
ルルルルル……
ヒッ……って……思わずスマホを取り落しそうになる。
これって、この音って……
うそっメール!?
まさか、メアドもバレてるの!?