「え……うっそ、沢木、このイケメン、どっから持ってきたのさ?」

持ってきたって……物じゃないんですが……。
「紹介させてください。うちの新人の亀井です」

「亀井拓巳です。よろしくお願いします」

へえ、亀井くんかあ、と宮本さんは腕組みしながら拓巳をじろじろ上から下まで舐めるように見る。
「……ねえ、どっか事務所紹介しよっか」

「はあ?」

「モデルやんなよ。サラリーマンなんてもったいないよ」

「はぁ」
拓巳は戸惑い気味に返す。

「言われるでしょ、イケメンだねって」

「まぁ、そうですね。否定はしませんけど……オレは100万人にイケメンって言われるより、たった一人にカッコイイって思われたいですね。ね、奈央さん」

はい? なぜ、それをわたしに振るの!?

「え? 何? えーと、2人、何だ、そういう仲なの?」

「はい、そういう仲ですね」

「ばばばばかっ! 何ガセネタ流してるのよっあんたは!」