……どうしようっ!
データ、バックアップとってないやつもあるのに!
撮影スケジュールとか、途中書きの原稿とか……
今から作り直し? そんな……どうしよう……
嫌な汗がじわりとにじむ。
そうだ。
ウェブチームに頼めばデータ、復旧してもらえるかも!
そう思いついた時。
亀井くんが立ち上がり、わたしの横に手をついて、画面を覗いた。
「ちょっといいですか。変わってもらって」
って、椅子を指す。
「う、うん」
立ちあがったわたしの代わりに席に座ると、亀井くんはキーボードに手を乗せた。
すらりと伸びた指が、キーボードの上を踊り始めた。踊る、っていう表現がぴったりなくらい、それは滑らかで、迷いのない動きだった。
しばらくすると、画面に白い英数字の羅列がいくつか現れ始めた。
それを眺めて、再び亀井くんの指が踊りだす。
ものすごい速さで画面を……これって、読み取ってるの? もしかして?
「なるほど」
亀井くんがつぶやく。


