Mysterious Lover


「うわぁ見て! 雪だ〜!!」

あ……


「ほんとだ〜!」
「きゃあホワイトクリスマスだ〜!」

周囲の人たちが、一人、また一人、吸い寄せられるように窓へ近づいていく。
空を見上げると、
巨大な窓の向こう、いつのまにか無数の粉雪が舞い始めていた。

「ねえママ、天使の羽みたい!」

女の子が叫んだ。

あぁそっか……。
ほんと、そうだね、天使の羽みたい。
ヒラヒラヒラヒラ、笑いながら踊ってるみたい。

「……きれい」
思わず見とれていると、「奈央さん」て困ったような拓巳の声がする。

「見るとこ、そこじゃないと思うけど」

「あ……」
ごめん、て視線を戻したわたしに、拓巳がふっと微笑んだ。

「ほら、これでもういいだろ。誰も、見てない」