Mysterious Lover


「え……っと……」

話が見えないわたしの手に、翠はメモ用紙を押し付けた。

「これお店の地図ね。間違えないように買うんだよ。プレミアムチーズケーキ、成田空港限定バージョン」

え……成田……空港って。
わたしはメモを開いてみた。
これって、飛行機の便名? それから今日の日付と……時間。
……まさか……

「翠……」

「ほらほら急いで! 売り切れちゃうよ!」


頭は、真っ白だ。
でも……

わたしはフロアを飛び出していた。


通りを流れるタクシーをつかまえて、飛び乗る。
「成田空港まで」

告げて、シートにもたれて。

心臓が、バクバクしてる。
何、バカなことしてるんだろうって。自分でも思う。