Mysterious Lover


「おい沢木ッどうした? おい、大丈夫か?」
田所があたふた、おかしいくらいにオロオロしてる。

「ごめっ……ごめん、わたし……変だね。なんで……っく……」

みんながわたしを見てる。
心配してる。
でも……涙が、止まらないの……。

「奈央」

翠が優しくわたしを呼んだ。

「泣くほどこのチーズケーキ好きだったらさ、買ってきなよ。今から」

翠の声に、「え」って涙が貼りついた顔のまま、わたしはぽかんとしちゃった。 
「い……今、から?」

「そう、限定品だからさ、急がないとやばいよ。今ならまだ間に合うんじゃない?」

「いや、無理だろ。朝イチで売り切」

ドスッ……

え、今の、何の音?

「ってえなあっ相馬っ! 何すんだよっ!」

「今ならまだ、間に合うから。買ってきなよ」