「痛む?」

恐る恐るといった様子でわたしの喉に触れる拓巳に、首を振って微笑んで見せた。

「平気」

まだ体に力が入らないけど、薬が抜ければ、きっと大丈夫。
少し、このまま眠りたいな……。
まぶたを閉じると、拓巳がわたしの上にかがみこむ気配がした。


拓巳……?

重たいまぶたを、少しだけ押し上げた。

「一度だけ……奈央さん、一度だけだから」

何が? と聞く暇もなく、
拓巳の手が、わたしの後頭部をグイッて引き寄せた。


次の瞬間。

唇が……重なっていた。

「たく……んっ……」

拓巳の唇は、慈しむように優しく何度もわたしの唇をついばんで。
そして……それから唇を、歯列を割って、少し強引に、舌が入り込む。