コツコツコツ…… 誰が、来るの? ドクンドクン…… コツコツコツ…… ドクンドクン…… 影が、黒く細く、わたしの傍らまで伸びてくる。 わたしを見失ったことに気づいたのか、足を止めて、辺りを見回してるみたい。あれは……たぶん、男だ。 わたしはスマホをかざして……その姿にピントを合わせた。 そして。 カシャッ 静かな夜の空気を、シャッター音が振るわせて。 予想以上に大きく響いた音に、わたしはひえって飛び上がった。 男が、音に気づいて振り返る。