Mysterious Lover


これは……チャンスかもしれない。

ストーカーが誰なのか、突き止めるチャンスなのかも。
わたしはカバンの持ち手を強めに握り直した。


心臓がバクバク、大きく鳴ってる。



コツコツコツ……



もしもその4人の誰かなのだとしたら、きっと遠目でもシルエットだけでも、誰かって見当つけることができるんじゃないかな。

やる……? 


やってみる?



だいたい、自分は安全なところに隠れたまま、女性を怯えさせて喜んでるなんて、サイッテーの野郎じゃない。
いつまでも、こんな卑怯な奴におびえていたくない。

少しのためらいの後。

深呼吸ひとつ。

それから、わたしは道をはずれ、申し訳程度に設置された柵を乗り越えて、工事現場へ足を踏み入れた。