Mysterious Lover

◇◇◇◇
下高井戸駅を出ると、小さな地元商店街の中を進む。
一緒に下車した大勢の乗客たちは、一人また一人、別れていって。

ついにわたしは一人になってしまった。

急いで戻れば、快速に乗れるかも。
腕時計をチェックして、歩みを速めていく。


その時。
「やば……」って、足が止まった。

いつの間にか、あのマンションの建設現場沿いの道に立っていたから。
慌てていて、無意識に一番の近道を選んじゃったみたい。

初めてストーカーから電話がかかってきた時通ってた、あの道を……。

ごくりと息をのむ。


大丈夫。
もう着信拒否にしてあるじゃない。
大丈夫。

再び足を前に出した。その時。

ルルルル……


ひ………っ……