「ようこそ、<ウォーターズエッジ>へ!」
光沢あるド派手なスーツに身を包んだホストたちが、エントランス前で女性客の手を取り、中へいざなっていく。
青白い光でぐるりと囲まれたゲートは、なんだか宇宙船の入口のような、不思議なムードを醸し出していた。
う。
ここに……入るわけ?
こういうとこ、来るの初めてなのよね実は。
前に立ってるだけで、なんだか恥ずかしい……。
裏口からこっそり呼び出してもらうとか、そっちの方がよかったかも。
わたしが迷っていると……
「ねえねえ、お姉さんどうしたの? 早く入りなよ。いっぱいサービスするからさ!」
「え、いや、その……わたしは……っ」
色白つるつるタマゴ肌のホストくんに腕をつかまれて、半ば強引に店内へ連れ込まれてしまった。
ツルツルに磨かれた床に足を取られそうになりながら、シルバーの光が所々に灯った薄暗い廊下を歩いて、その先へ。