そのまま押し倒されるような形になって。 「たたたくみ……っ」 拓巳の形のいい唇が、近づいてくる。 「ちょ……ちょっと」 止めなきゃ。止めなきゃ。 「はっ犯人捕まえてからでしょ!?」 「んー……前払い?」 意味わかんないっ! くすくす笑う拓巳の唇が、わたしの鼻の頭をかすめる。 「奈央さん」 唇が…… やだ……動けない……。 わたしはギュッと目を閉じた。