「っ……」
だめだ、話が通じる相手じゃない。
通話を切ろうとした。

『君ニ』

「え?」

『マタ僕カラノ、プレゼントアゲルヨ。気ニイッテクレルトイイナ』


そのまま、ブツリ。通話は途切れた。


何なのよ……プレゼントって……。
ごくって息を飲み込む。

また、写真とか? ウイルスメール?
それとも……?

息を殺して、そっと周囲を伺うけれど……
変わったことは特に起こらない。

のしかかるような重たい沈黙に耐え切れなくなって、わたしは駆けだした。

と、とにかく、早く家に入ろう。

アパートの外付け階段を駆け上がり、廊下を走って……
もう少し……

ビクッと足が止まった。

わたしの部屋、ドアの前に……何かが置かれてる。