真由の父親が不動産をやっていることもあり、素敵なところを紹介してもらった。 「ただいまー。」 二人して家に入る。 「「はぁー、疲れた。」」 同時にこぼれたため息に、二人で目を合わせて笑う。 「奏、先お風呂入ってきなよ。 私、ご飯作るから。」 真由はごく自然にそう言う。 結婚の話が出る前から、お互いの家に行き来してはこんな風に過ごしてきたから、今更意識することもない。