「綺麗…。」 私たちは観覧車に乗っていた。 「…俺さ、ここの観覧車に乗るのがちょっとした夢だったんだ。」 学生の頃、カップルがよく行くデートスポットだった。 「恋人が出来たら行くスポットだったもんね。」 「うん。」 奏は微笑みながらそう言った。 「真由。」 奏が私の名前を呼ぶ。 「ん、なに?」