「奏くん、真由のことよろしくね。」 おばさんは涙ぐみながら言う。 「はい。」 俺ははっきりとした声でそう言った。 「真由、良かったわね。 こんな素敵な人のお嫁に行けるんだから、奏くんのこと、大切にするのよ。」 真由は照れくさそうにうなずく。 端からみれば、ちゃんとした結婚の挨拶に見えるのが不思議な感じだ。 無事に両方の両親に結婚の挨拶を済ませた俺たちは、これから俺たちが暮らす家に帰る。