「はぁ…。」



何をしてても浮かぶのは真由のことばかりだ。



いい大人の“恋わずらい”ほど厄介なものはない。



「大の大人が、なにため息ばっかりついて。



見苦しいぞ。」



健太はからうように言った。



「…悪かったな。」



俺は投げやりに言う。



「で、なにがあったんだよ。」



文句は言いつつ、ちゃっかり話を聞くところが健太らしい。