…今朝の真由の安心した顔が思い浮かぶ。 「はぁ…。」 真由にとって、昨日のキスは忘れたいこと、なのか。 一世一代の勇気を振り絞ったというのに、この有り様だ。 「…俺ばかだ。」 もちろん、昨日のことは鮮明に覚えている。 お酒の力を借りなければ、キスなんてできなかった。 自分の意気地無しさに、情けなくなる。 こんな男じゃ、真由も振り向くはずがないのに。