私が抵抗する暇もなく、奏は私に覆い被さる。



「…どうしたら俺のこと好きになってくれる?」



耳元で、奏の声がする。



私は奏の言葉に何も言い返すことができなかった。



「真由、キスしてもいい?」



奏が急にみせる男の顔に、私は戸惑う。



「…嫌なら言って。」



近づく奏の顔に、私は条件反射で目をつむる。



…奏が私の唇に重ねた。



奏は一瞬だけはっとした表情になり、私から離れた。



そして、寝る、とひとことだけ言ってベッドに入り、本当にそのまま寝てしまった。