「うん。」



こうして奏に髪を乾かしてもらって気がつくのは、奏の手の大きさだったりする。



幼い頃は私よりも背が低くて泣き虫だった奏に、今では、力勝負では絶対に勝てないだろう。



ここ数日の奏の変化に、意識してしまう。



奏は男なんだ、って。



「ねぇ、」



奏が私に話しかける。



「な、なに?」



私が振り返ると、奏が私に抱きついてきた。



「ち、ちょっと、奏、」