私がなにも言えずに奏を見つめていると、



「…言わせんなよ。」



と奏は口をとがらせた。



“好きだから好き”



奏らしいといえば奏らしい言葉だ。



まさか自分に向けた言葉とは思えないくらい。



「…よし、ご飯食べよう!」



私の思考をかき消すように、奏は大きな声でそう言った。