あの状況で、かえって落ち着いて眠れるのが本当に不思議だ。 「…でも、良かったな。 後は、宮下に振り向いてもらうだけじゃん。」 長いこと俺と真由のことを見てきた健太は、嬉しそうに言う。 「確かにそうだけど。 それが、出来ないから困ってるんだよ。」 真由は、俺のことどう思っているんだろう。 「まぁ、気長に頑張れよ。 ここまで待ってたんだから、今更逃がすとか無いだろ。」 健太は俺の背中を割りと強めに叩く。