「ヘタレか。 寝る、とかありえない。 キスの一つでもすればいいのに。」 他人事だと思って、そんなことを言いやがる。 「無理やりするのも違うだろ? まあ、俺がヘタレなのは認めるけどさ。」 「もう、俺から見たら神だよ。 好きな女が同じベッドにいて抱かないとか、どんな精神力備えてんだよ。」 健太は呆れたように言う。 「…我ながらすごいとは思うよ。」