アイリス



「歩美とは別れたきり、何もないよ。



“真由ちゃんが好きなら告白すればいいのに”って言い残して出ていった。



学生の頃も、俺に言い寄って来る子はいたけど、大抵の子は俺が真由のこと好きなのを気づいて離れていった。」



奏はモテたんだっけ?



周りの女子たちが、私を羨んでいた気もするような、しないような。



昔から、私はそういう方面には疎かった。



「気づかないのは、真由だけだったよ。」



奏は笑いながらそう言う。



「…ごめん。」



「いいよ、そのお陰で今もこうして真由といられるんだし。」