そういえば、寝室には大きなツインベッドがひとつある。



私を気遣ってそう言ってくれたんだろう。



「…だったら私がここで寝る。



奏の方が仕事も大変なんだし。」



私はそう提案する。



「それは絶対だめ。



俺がおばさんに怒られちゃう。」



奏は私の提案を退ける。



「いいよ、あんな人の話なんか聞かないでも。」



もともとは、無理やり結婚なんか決めた両親が悪いんだ。