…… シュッ ……

私が体育館に忘れものをとりに戻ったとき
誰もいないはずの体育館で1人シュート練習をしている男子がいた

「え、なんで?」
私はつぶやいていた
そして、その男子に気づかれないようにそっと体育館をでた


私は田中 瑠子(たなか るこ)バド部の高校1年生

「るーこー! は・や・く!!!」
大きな声でそう叫んでいるのは中学からの親友で同じバド部の佐々木 茉莉(ささき まり)

「遅すぎ!ってなした?そんなに赤面して~」
そういいながらちゃかしてくる茉莉
「え!?赤面!?」
赤面という言葉に動揺する私
「うん。何があったの白状しなされ」
そう茉莉に言われて私はさっきの出来事をすべて話した

「つまり、瑠子はその人に一目惚れしたってわけか。シュート練習してたってことはバスケ部かな?だったら吏久に聞いてみるか」
と言いながら彼氏の鈴木 吏久(すずき りく)に電話をかける茉莉

茉莉の彼氏の吏久くんは男バス

「なした?」
電話にでる吏久くん
「なんかね、瑠子が吏久に聞きたいことあるらしいのさ、瑠子に変わるね~」
と言いながら私にスマホを渡してくる茉莉
「あの、部活終わりに自主練してる先輩っていたりする?」と聞く私
「んー。あ、そーいえば今日大輝(だいき)さんが自主練するって言ってた気がする!なして?」
と聞いてくる吏久くん
「実は今日自主練してる人を見かけて……」
言葉が出てこなくて黙ってしまった私の横から
「一目惚れしたんだって!!!」
と私の代わりに言う茉莉
「そうだったの!後で写真送るわ」
と言う吏久くん

電話が終わってからすぐに写真が送られてきた
「あ、この人!!この8番の人!」
興奮ぎみに言う私
「彼女いないよ。瑠子ちゃん頑張れby吏久」
吏久くんからのメールを読み上げる茉莉

「でも私、恋とかわかんないよ?
したことないし」と言う私
「え、うそでしょ?」
と私を疑う茉莉
「ほんとだよ?」
そういう私に驚きを隠せてない茉莉
「恋っていうのは、その人を見るとドキドキしてわくわくして時に楽しく時に苦しいんだよね」
遠くをみつめながら言う茉莉
「恋って難しいんだね」
恋が難しいなんて初めて知った


私、大輝さんのこと好きなのかな