「おはよう」

キッチンに立つ母に声をかける。

「あら沙紀!あんた顔赤いけど熱でもあるんじゃないの?」

言われてみると確かに熱い。

前日の追い込みテスト勉強もあってか
これが知恵熱か、なんて思いながら体温計に手を伸ばす。

ピピッ

「あ…結構熱ある…」

今日から大事な期末テストがあるというのに…

しばらく38.2と表示された体温計を見ながらボーッとしていると、母の声が耳を過る。

「無理そうなら仕方ないけど今日は休んじゃいなさい?明日から挽回すればいいのよ。」

私は そうだね、と小さく呟くと再び部屋に戻りベッドに倒れ込んだ。