「深月、帰ろ。」

意味が分からない。
私を散々馬鹿にした姉が、『一緒に帰ろう』だなんて。

「分かった。」

裏があるに違いない。
確かめなくては。

私は、渋々『OK』した。
こんな奴と帰るなんて、ごめんなんですけど。
仕方ないか。

「さよなら。」

学級委員の声の直後、皆さっさと友達と帰宅する。
ガラガラになった教室は、私が1番大好きだ。