懐かしいピンクのケータイの蓋を開いた。

そして、画面を見つめた。
え?
なんで?

『渡邉冬月』

お姉ちゃんだ。
あの、私が捨てられるきっかけを作ったお姉ちゃんだ。

「なによ。」

『あのさぁ、あんた文化祭あるでしょ?行こうかなー。』

「はぁ?」

『公立のドケチな文化祭。』

酷い。
私、頑張ってたのに。
私立だからって、馬鹿にしないでよ!

「来るな。」