彼はまた、空を見上げて言った。

「君はいいね。親がいて、友達がいて。愛してくれる人がいて。」

「いるわけ…………ないじゃん。」

司が、振り向いた。
少し、驚いた顔で。

「私、去年捨てられたの。親に。友達なんか、誰一人いないわ。」

私は下を向いた。

「私は常に独りぼっち。まぁ、慣れたけれど。君は少し私より幸せだよ。」

「何故?」

彼は首を傾げた。
『幸せじゃない。』と。

「私、幸せだった頃の記憶を無くしたの。」

「!!!!!!!」