爆走姉貴ー星路の苦悩ー

「まぁ…ここまでにしといてやるか」


そう言った美月は、パチンと軽快に指を鳴らす。



それを合図にビルダー達が、俺の身体を解放してくれたぁ!

やったぁ!





「じゃあね♪お疲れ様〜」

手を振る美月。
ゾロゾロと散る様にジムに戻っていくビルダー達。



思ったんだけど…美月の指鳴らしで行動するってのは、もしかして暗示とかにかかってたんじゃ…?


まぁいいや!




地べたにはいつくばっていた身体を伸びをして戻し、深呼吸。
空気がうまいなぁ!
さっきまで、なぜか空気が薄かったからな。

ビルダー達、何か呼吸荒いし、体温高いし。








「星路くん、大丈夫?」
「美鈴」


伸びをする俺に駆け寄り、心配そうに腕を掴んできた美鈴。




「ごめんな?美鈴…驚かせて」
「ううん…」



うつむき、首を振る美鈴の小さな頭。


可愛い。
こういう所が可愛いんだよ、美鈴は。








「おやおや…ここは美月さんはお邪魔かな?」


ぷぷぷ…と口元を押さえて笑い、肩をすくめる美月。

……蔵野さんまで同じポーズで笑ってるし。




この二人ウザイな。