爆走姉貴ー星路の苦悩ー

ここまで徹底した根性曲がりは基準値を超えている!
根性曲がりの基準値はわからないが、絶対そうだ!


こんな奴が心理学を学んでいる事自体が恐いしっ!




「あ、そうだね。あたし心理カウンセラー目指してるんだった♪」


ぺろりと舌を出し、こめかみをこぶしでこつく美月。

「今思い出したの?!」


この話の初期設定を諦めんなよっ!
自分のだろ?!




いや、違うだろ俺!
突っ込んでる場合じゃねぇって!
何でこう美月のペースに巻かれちまうかな!




「美月、頼むからビルダーをよけてくれよ…」

いい加減、押さえつけられるのにも飽きてきた。



「よけて欲しいの?」
「ああ、よけて欲しい」
「ふぅん…」
「……何?」
「お願いします、は?」


はぁっ?!


「美貌の神・美月様。どうかヘタレで緩くて漏れる僕に、偉大なる力を貸して下さい、は?」
「…………」



――――ギリギリギリギリ…。



俺の歯軋りの音。


こいつ…ほんっっとぉ―――っに調子に乗りやがる!

ちょっと下手に出ただけで、天からの上から目線!
セットで足元まで見やがる!


いい性格だな!マジで!