爆走姉貴ー星路の苦悩ー

美鈴に同調しているのか、切なそうに瞳を細め、美鈴に言葉をかける美月。



姉(兄)が、弟の彼女を慰めている。




一生、見る事の無い光景かと思ってた。

美月は必ず、小姑になると信じて疑わなかったから。


それが…身動き取れない(美月のせいで)俺に代わり、美鈴に優しい言葉を……。



感動が沸き上がっていた。

美月、お前にもそんな心があったんだな……。






「美鈴ちゃんは悪くないよ?何も悪くないの」


美月は美鈴の肩を抱きしめ………。






「………悪いのは、全て星路なんだから……くくく」

「―――――俺っ?!」




邪悪に笑みを歪めていやがるぅ――?!



姉さん!
俺の目を覚まさせてくれてありがとう!!

おかげで沸き上がっていた感動は、空の彼方に吹き飛びました!




擬態だっ!!
あの慰めは擬態だった!!


要するに美月は、俺を悪者にしたいだけなんだな?!


一瞬でも美しい光景に、心を奪われかけた自分が情けない!

美月の非道さは身を持って思い知っていたはずなのにぃっ!!



ちくしょう!
また簡単に騙された!





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