爆走姉貴ー星路の苦悩ー

ビルダーから逃れ様ともがく俺!
ビルダー達は、更に体重をかけてくるっ!

お前ら重すぎっ!
どんだけプロテイン飲んでんだよ!

もしかして美月からドーピング受けたんじゃねぇっ?!



「美鈴!美月は何を話したんだ?!」



もがきながら美鈴へと叫ぶ。


「美鈴!」



美鈴は俺から微かに視線をそらし……。



「……何も……無いよ」
「無いと言いつつ目をそらし、半笑いをする理由を聞かせてくれよ!」



美月の野郎―――!
美鈴にまで毒を!!






「……さて」


睨みつけた俺を見下ろし、美月は長い髪をかき上げた。

それから、ふぅ…と爽やかに額の汗をぬぐう仕草をする。


うわぁ…ムカつくくらい涼しそうな表情だ。
まるで、一仕事終えたかの様に……。






「一仕事終えたな、エッグ」
「姉さん、ご苦労様でした!」
「―――!!」



一仕事終えてるっ?!


美月、お前が一体どんな仕事をしたと?
迷惑を振り撒いただけじゃないかぁ!




「で、星路。お前はなぜエッグの店にいたんだ?」
「今更っ?!」



美月さん?
何言っちゃってんすかぁっ?!


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