爆走姉貴ー星路の苦悩ー

美月はすねた様に唇を尖らせ、俺を見つめてフンと鼻を鳴らした。




「星路ってば、何をムキになってんの?じゃあ気にしなきゃいいじゃないよ?」
「俺の名前を数え切れないくらい連呼して笑っておいて!気にするなは無理があるだろっ?!」



本人目の前にして、その台詞は無いよ?!




「あっ!何!何を美鈴にまでっ!」



美月はにやりと俺を見て笑い、不安そうに立ち尽くす美鈴にまで何か言おうとしてるっ!




「…美鈴ちゃん」
「え?」


美月に呼ばれた美鈴は、そのまま美月に耳を傾けてしまったぁ!



「美鈴ぅ!!ダメだ!」


耳を貸すなぁ――!!





「………星路………ねぇ………だよ…」


ニヤニヤしながら内緒話を始める美月。




「え?…は……はい……ふ……ふふふ」


美鈴までもが笑いだしたぁ!



「美鈴?!何笑ってんの!」



一体何を美月から聞いたんだぁ――――っ?!






ひでぇっ!
ひどすぎる!
こんなあからさまな嫌がらせを受けたのは生まれて初めてだ!


気になって仕方ないっ!



もう止めてくれよ!
この悪魔ぁ――――!!



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