10月31日。

幼い子どもと母親の会話が聞こえる。

「お母さん!あれ買ってー!」
「さっき同じの買ったじゃないの。」
「そっかぁー。」

街は完全にハロウィンモード。

ケーキ屋さんに行けば、かぼちゃのケーキ。
『ケーキ嫌い。』

スーパーに行けば、ハロウィンの飾りがぶら下がってる。
『私の優雅なる買物を邪魔したいのか。』

服屋さんに行けば、ハロウィンセール。
『…これは嬉しい。』

そして極めつけに
ハートが溢れんばかりの"リア充"がうようよ。
『私を殺したいのか…!?』

私、門矢彩香(かどやさやか)は
大変残念なことに
彼氏ナシのまま中学3年生になり、
そのまま10月が終わろうとしている。

要は非リアである。

人生において一度も彼氏ができたことがない。

リア充どもにダイナマイトでも
投げつけてやろうかと思っていたら

「うふふ♡流石けん君だね♡」

ドンッ

「あら、ごめんなさーい♡
ぶつかっちゃったテヘ♡」

まさかのリア充に衝突。

まぁまぁなぶりっ子だった。

にしても
ごめんなさーい♡テヘ♡
は、流石にないと思う。

リア充だったら何でも許されるってかぁぁぁ!

「ひどいな…。」

もういいや。しょうがない。怪我してないし。

友達もいないで一人で歩く。

そのまま誰に合うこともなく家に帰ることに成功した。


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「…ハロウィンに勝ったぜ。」

何をひとり事言ってるんだ私。怖いわ。

夜ご飯は何だろう。
お母さんに声をかけてみよう。

「お母さん、夜ご飯は何?」

「あぁ、彩香帰っていたのね。今日わね、見たらびっくりするわよ…。」

まさかと思うがシチューか…!?

「ジャーン!お母さん特製のおばけシチュー!」

オカーーーーーーン!!!!

シチューの上に
人参で作った目!
海苔で作った口!

まさかと思うけどこれでおばけを作ったの!?
人参の目まではなんとなく分かるけど、
海苔で作った口ってどうなの…。

一口食べてみる。

「味はいつもどうりなのね…。」


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ご飯を食べ終えたら、受験生らしくお勉強。
全くやりたくない。

2時間ほど勉強し、そのままさっさと寝てしまおうと布団に潜った。

「あーあ。天(そら)と一緒のクラスになれたらなぁ。」

ちなみに天とは私の好きな人である。
2年生の時クラスが一緒で時々見せる笑顔に全てを持って行かれた。
3年生で私は…1組。天は2組と、離れてしまった。

天のことを考えていたら、眠りについていた。

【エピローグEND】