恋の音はすぐそばに

「こは…お姉ちゃんも同じことを言ってたんです。しかも全く一緒!」


少し天然が入った心羽に、ズバズバ言ってしまう紫緒先輩。


違うようで似ている。


…2人がもし何か原因で仲違いをしているなら、仲直りをしてほしい。


だってそれほど2人はお似合いだから。


「っ…紫緒…先輩っ?」


なんでそんな悲しそうな顔をしてるんですか?


悲しそうだけど、どこか辛そうな顔。


…そういえば、前に菜緒先輩と出かけた時に菜緒先輩が言っていた〝あいつ〟って…。


やっぱり紫緒先輩のこと?


「そ…っか、お姉さんも思ってるってことはそれほどひどい状態ってことだろ」


「は、はい」


「…今日は早く帰って寝ろよ」


なんで隠すの?


心羽も菜緒先輩も、紫緒先輩も…。


隠したいほどのことがあった?


私にも言えないこと?


私には関係ない。


わかってはいるけど…。