全部、過去の話。


昔話を思い出していた。



「あ〜大掃除とかめんどくさい!50分も掃除とかありえない〜」


「ほんと。めんどくさいよね〜」


教室で少し、話すぎてた私達は

掃除はとっくに始まってるのに、たらたら掃除場所に向かっていた。


「あの〜、そこ、しなくて大丈夫だよ??」

かなが誰かにはなしかけた、


見るとそこには、高身長でスラッとしていて
黒髪で、、顔は、、なんか、かわいらしくて、猫みたいなかわいい顔。

そんなひと。


「いや!大丈夫です!俺やるんで!」


かなの問いかけに一切迷うことなく



元気いっぱいに、そう答えた。



そこは、私たちの掃除場所で、

彼1人で真剣に掃除をしていた。


スリッパの色を見る限り、彼は2年生。


こんなひと、見たことないな。。



「いや…そこ…私たちの掃除場所だし…」


戸惑う かな。


「大丈夫ですよ!俺やるんで!」


かなの言葉が聞こえてるのか聞こえてないのか、

彼はやめようとはしない。


「でも…私たちの掃除場所が無くなるんだっての。」


少し小声で、少し怒り気味で


かなは言う。

けど彼には届いていない。


まーでも、掃除代わりにやってもらえるわけだし、

彼もしたそうだし。


休みたいし。



「ありがとう。じゃあ、頼んだからね。」


彼の前に立って、今度はちゃんと聞こえるように言った。


「はい!掃除得意なんで!」


ニコッと笑う彼の口元には八重歯。


かわいいかも。と思ってしまった。


フッと笑い、その場を立ち去ろうとした。





「ねぇ、名前、なんていうの?」


無意識に。ほんとに無意識に。

名前を聞いた。


「俺ですか?俺はいわき こうた です!」


「こうたくんか。よろしくね。私、にかだから。ながたににかね。」


また、彼はニコッと笑う。

「よろしくです!」

「うん、よろしく。」

その場を後にした。