好きって言ったらどうする?


「にか。ごめん。私が言わなきゃ…」




「いや、かなは悪く無いよ!かなが言わなくたって後からどうせわかったはずだよ。あの子とこうたが結ばれれば…」





「そんな事あるわけないでしょ?!にかは、こうたくんとキスまでしてるんだから!にかが付き合うに決まってる!」






あの後から明らかに落ち込んでいる私にかなは必死に声をかける。



そんな私の脳みそでは、さっきの映像が繰り返し流れる。





「キス…??」




「あっ、いや、、」





聞き慣れた声が行き交った。





「けん…」




今にも泣きそうな私の目を見てけんは私を抱き寄せた




「え?」



「にか。がんばれ。俺はこんな事しか出来ないけど、応援することしか出来ないけど、でも俺はもう、にかの悲しむ顔は見たく無いよ。」



抱きしめる手を緩めたけんと目があった。









声が出なかった。




私は何をしてるんだろう




どうして、大切な友達をこんなに悲しい顔にさせないと



気づかなかったんだろう




けんの顔も今にも泣きそうで。





私はただ、もう私の元から離れられるときの感覚を

味わいたく無かっただけ




こうたからの気持ちが転がってくるように

下手に好きだって思ってただけだったんだよな




好きって言えば、壊れちゃうんじゃ無いか




こうたからの告白をずっと待ってただけだった。



弱い自分…











涙がこぼれた





「けん…ごめんね…」




溢れ出す涙を抑えきれず顔を抑え込む




「にか。がんばれ…」



そう言ってまたけんは、




私を抱きしめてくれた。






冷えた私の心をあっためるように




けんの体は私を包み込んでくれた。