「なになに〜?にかニヤついちゃって〜」
全校朝礼が体育館であり、
文化祭が始まる前の休憩時間、
かなは私の横に座り覗き込むように話しかけてきた。
「え?!ニヤついてないし!かなの勘違いだし〜!」
「うそぉ〜!絶対なんかあったんでしょ!どーせ、こうたくんなんでしょー!」
「んーまぁ?あんまり調子乗らないようにしてるんだけど。」
気がつけば自分でもわかるくらいニヤついていた気がする。
「ねー、教えてよー。」
すごく笑顔のかなに私もつられ、
話してもいいか。そう思いかなに全て話した。
「あのね、実は…」
こうたと写真を撮ったこと。
こうたと手を繋いだこと。
そして、
こうたとキスをしたこと。
「ええ?もうそこまで進んでるの?!え、じゃあ…付き合ったの?!」
「い、いや…付き合ってはない…告白とかされてないし、してもないし…」
「えー?でも好きって言われてるわけでしょ?」
「まぁ、、ね。」
ウキウキしていた自分の心がうそみたいに、
どんどん気持ちもどんよりしていく。
そうだった。
好きと言われても
付き合おうとは言われてないし
キスはされたけど、
私たちは付き合ってるわけじゃなくて。
じゃあ何故?
なんであんなことしたの?
また、私の中で自問自答を繰り返す。
でも、ばかな私は
今が幸せ。
このままでいい。
こうたと話せてるだけで幸せ。
これ以上は望まない。
そう思っていた。

