好きって言ったらどうする?


♫〜♫〜♫



「ごめん!撮る暇作れなくて!」


学校が終わり、多分、こうたの部活が終わった時間帯。
焦るようにこうたからLINEが来た。




「いいよもう。結構楽しみにしてたのに。」




♫〜♫〜♫



「ごめん。今から会わん?」



え。。


絶対許すつもりなんてなかったのに。


会いたくなるじゃんか


会ったら許してしまうじゃんか



「いいよ。会えるよ」




こうたには弱い。



そして、いつもの場所についた




今日は私が先みたい。



少しして、こうたがきた



「ごめん!遅くなって」



「こうた。いいよ全然」



私は笑顔を向ける

こうたも私に笑顔を向ける



「はい!これ。」



そう言って渡されたのは

あったかいミルクティー


「あったかい。ありがとう…」



やっぱこうたはずるい


たったこれだけですぐに好きに戻ってしまう

こうやって会えばほんとに好きだと思ってしまう



それからまたたわいもない話をした。


こうたには家までもう送らなくていいからって
言ったから


それから座ってずっと話してる


そして、手もつないでくれてる。


あの日、言ってたからかな。


〝もっと早くに繋いどこう〟




「ごめんな、ほんと今日。」


「いいよ気にしないで。私もあんまり時間無かったし。ほら。展示の準備とかでさ!」



「そっか、よかった。明日は撮ろうな?」



「うん!撮る!」



単純だな〜わたし


その言葉一つ一つが嬉しくてたまらない


今日のことも全部許してしまう


そしてまた、私たちは沢山話をした

会えなかった分、話せて無かった分、



今まで以上に話せた。


帰りたくないと思うくらい、こうたをすきだったことを実感した。


なに自分忘れそになってたの。自分で自分を叱った




「帰るか。そろそろ」



こうたは繋いでいた手を離した。


寂しいな。と思いつつも。


「そうだね。帰ろっか」



こうたが立ったから、私も立った。



さよならもしてないのに、もう寂しいと思う



「にか。」



「わっ」



急に振り向いてきたこうたは私を抱き寄せた



また。寒いのかな



そう心に言い聞かせるけど


胸がドキドキいってうるさい。



「どうしたの、こうた。また寒いの?」




そう言ってこうたの腰に手を回す



「は?なに言ってんだよ寒くねぇよ」



「えーだってこのま--「うるさい」」




私の言葉を遮るようにしてこうたは言った。



「にか。」



「んー?」















「すきだ」






え????




今なんて。



「す、き?」



ウザいと思われるかもしれない

めんどくさいと思われるかもしれない


けど、もう一度聞きたかった




「すきだって言ってんだよ」




そう言ったこうたにドキドキしていた私と


こうたの体はこうたの手により離された。




こうたと見つめあう



ドキドキいってる



本気なの…?






「こうたっ、それって-----!!」




聞く暇も無く、私の口とこうたの口が重なった。




私、今こうたとキスしてるの…?


これは、夢…?




夢じゃないよね?


夢じゃ…ない…






離れた唇はすこし寂しかった




照れくさそうに笑うこうたにつられ、
私も笑顔になる。



「帰るか。」





「そうだね。」







そのままキスに触れるわけでも無く



好きという言葉に触れるわけでも無く


「ばいばい」


こうたに手を振った


熱くなる唇を抑えこうたに背を向けた



でも、どうしてもどうしてもこうたの背中が見たくなった



いつも見ても振り向いてくれなかった背中


私は振り返ってみた





すると





こうたも同じタイミングで私の方を向いてきた




「えっ」



私はすごく驚いた

今まで一度も振り返ってくれることがなかったこうたが


私の方をもう一度見てくれたから



驚いた私はすぐにまた前を見て歩いた



「嬉しい…」



2人は別々の道を帰った。