「え!?ハグされた!?」
「し〜!!うるさい!かな静かに!」
「あ、ごめんごめん」
かなにあの日のことを話すと
とても驚いて、
とても嬉しそうにしてた。
でもやっぱりかなも、
「なんで何もいってこないんだろ〜?」
私と同じこと思ってるみたいで。
「わかんないだよなぁ、何考えてるか。私ばっかり舞い上がってるみたいでさ。抱きしめてきたときもほんっとむかつくくらい冷静な顔して。」
「なになに〜?なんの話してんの〜?」
「あ、けん。けんには関係ないです〜〜」
同じクラスの はしやま 健(けん)
元野球部で、私が中学の時から一緒の人。
まぁ、仲良いといえば良いってくらい
私が気楽に心から話せるのは
健とかなくらいかな
「なんでだよ〜俺にも話せよ〜!」
しつこい健。
そうだ、でもせっかくだし、男の人の意見でも聞いてみようかな。
健は背が高くて運動できて、頭はまあまあだけど
整った顔に笑った顔がとにかくかわいい
誰にでも分け隔てなく接するとこが無駄にモテるからな〜
今まで彼女何人もいたから、話でも聞いてもらおっかな
「ねー、健。」
「んー?」
「健が、女の子を抱きしめたいと思う瞬間ってある??」
「そりゃーあるだろー!」
「え!どんなとき!?」
ん〜、と少し考える様子を見せた健。
「好きだって思った瞬間?」
「え゛!!」
好きだと思った瞬間??
好きだと思ったのかな??
「なんだよ変な声だして〜」
「え、いや、じゃあさ、好きだと思わないと抱きしめない??」
「なんで好きじゃない奴抱かなきゃいけねーんだよ!ていうか、抱きしめるっつったら普通好きな人だろ。好きな人じゃなきゃすきって思う瞬間なんか無いし、抱きしめたいとも思わない!」
うわー、健のくせにしっかりしてるな〜
やっぱ男の人もこんなこと考えるんだな〜
「そっか、そうなんだ!!」
期待…してもいいのかな…?
少しでも私のこと、
女の人として見てくれたってことでいいのかな…!?
「なんで急にそんな嬉しそうなんだよ〜、もしかして、誰かに抱かれたのか??」
図星。
「えっ!?いや、いや〜??」
「健!変なこと聞かないのー!」
バレたくないのに
隠しきれなかった私をすかさずかばってくれたかな
「は!?お前まじかよ…」
そしてなぜか急に元気が無くなってどこかへ行ってしまった健。
「え、どうしたのアイツ…」
「さぁ…?」